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数珠つなぎ

第5章 お前らを逃さない








コンコン……


「はい」

返事と共にノートパソコンを閉じる。

「お邪魔しまーす」

ドアが開き、ひょっこりと顔を覗かせる潤。

「何だ、お前か」

「ふふっ……待ってたくせに」

ドアが閉まると後ろ手に鍵をかけた。

「客はもういいのか?」

「皆さん、スッキリして帰っていきましたけど?」

得意気な顔を俺に向けながら、黒いソファーに腰かけた。


きっと、客も大満足だろう……


潤が働き始めて数ヶ月、今や智の次に指名数が多い。


智は優しい、おっとりした印象だが潤は強く、男らしい印象だ。

そんな潤を自分が啼かしてるという、優越感が客には堪らないんだろう。


「で、なんの用だ?」

俺は立ち上がると潤の横に腰かけた。

「わかってるくせに」

「さーね」


わかってるよ……

だけど、あえてはぐらかしてみる。


「今日のお客、持久力なくてさ。社長も……溜まってるでしょ?」

ニヤリと笑うと、ズボン越しに俺のモノを厭らしく撫でる。


お前の行動なんて予想済み。

だからあえてソファーに凭れ、触れやすいようにしてるんだよ。


「どうして欲しいんだよ?」

ちゃんと言葉にしてみろ。


すると潤は俺をソファーへ押し倒した。


「ねぇ……ちょうだい?」

最初の方は声が震えてたのに、今では可愛く首を傾げて欲しがる『フリ』をする。

俺を見下げる潤の髪を掴んで、グッと引っ張った。


目の前の潤の瞳が一瞬、揺れた。


言葉だけじゃなく、ちゃんと行動しろよ。


「欲しかったら、ご奉仕しろよ」

潤は身体を移動させファスナーを下ろすと、俺のモノを口に含む。


俺は決して、お前を求めない。



お前が言葉で俺を求めろ。

お前が行動して俺を求めろ。



そしてその事実をお前に刻み込んでやる。


上半身を起き上がらせ、顔を上下させ俺のモノを貪りつく
潤の髪を撫でてやる。


知らないと思ってるのか?

お前が盗聴器を仕掛けた事。


誰かのために、俺のことを調べている。


なぁ、潤……

今のお前を見て、大切な人はどう思うんだろうな?


撫でてた頭をグッと前に押した。

「ちゃんと、零さず飲めよ…っ」


もっとお前を……俺で汚してやる。

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