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数珠つなぎ

第5章 お前らを逃さない








受付でインターフォンのモニターをONにして外の様子を見る。

すると今日からバイトを開始する相葉雅紀が映し出された。


緊張しているのか……

なかなか呼び出し音は鳴らない。


俺はボタンを押して、ドアロックを解除するとピクっと身体が動いた。

「相葉くんだよね?入って」

俺はモニターを消すとソファーに移動し、生の姿を待ちわびる。


ガチャ…


ドアが開き、相葉が入って来た。

その場で立ち尽くす姿をジッと見つめる。


さすが潤だな。


俺が好みそうなタイトな服装をコーディネートしている。


上から下まで舐め回すように見ていると、一瞬だけ目が合った。

黒目がちの潤った瞳が揺れる。


コイツもだ。

そして潤も智も二宮も……


俺とは違う、穢れのない綺麗な瞳。



その瞳にに見つめられると、『お前は汚れてるんだ』って言われているみたいで大嫌いだ。


だから、汚したくなる。




身体も心も……すべて。




ゆっくりと相葉に近づいた。

「初めまして、ここのオーナーの櫻井です」

「今日からお世話になります相葉です。よろしくお願いします」

ありきたりの挨拶を交わすと、深々と頭を下げる。


どんな気持ち?

両親と兄貴を死に追いやったヤツに頭を下げる気分は。


「そんなに固くならないで。ほら、頭をあげて?」

「はい……」

目の前にある俺の顔に相葉の表情は見事なまでに固まった。

「ふふっ、思った通り。可愛い顔……してる」

「……えっ?」

言葉を発したと同時に顎をグッと掴んだ。

「受付も容姿は大事だからね?あっ、もし接客に興味が出たら言って?大歓迎だから」

ツーっと顎から頬へと這わすと指から身体の震えが伝わってくる。

「いえ、俺は……」


震えるお前を早速、試してやる。


「じゃあ早速……初仕事をお願いするね」

「は…い」


なぁ、お前もどこまで耐えられる?


アイツらのように……

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