数珠つなぎ
第6章 僕らは離れない
【和也side】
「お待たせしました」
コースターと飲み物が、それぞれの前に置かれる。
「ありがとうございます」
俺も智のお礼に合わせて頭を下げると、ニッコリと笑い返してくれた。
「ごゆっくり」
そう言い残して、カウンターの裏へと行ってしまった。
「これ、美味しいの。ちょうどいい甘さで、疲れがスーッと取れる」
グラスを傾けて口に流し込むと、氷がカランと音を立てた。
「ホント、美味しい」
子どもの頃に飲んだカフェオレの味に似てる。
何か、昔に戻った気分……
そして目の前にいる智も、いつもの智と違う気がした。
もしかしたら俺が知る前の智なのかな?
「和也」
「ん?」
呼ぶ声と同時に、テーブルに置いていた俺の手と智の手が重なった。
とても温かい。
けど消えてしまいそうな気がして、そっと自分の手を智に重ねた。
「大丈夫だよ」
俺の気持ちを察したように、智が俺に微笑みかける。
そしてスッと俺の手の間から抜けると、着ていたジャケットから黄色いリボンで包装されたものを差し出した。
「これ…は?」
「開けてみて?」
言われるがまま、スルりとリボンを解いた。
包装されていたのはジュエリーケース。
ゆっくりと開けると、ペアのネックレスが入っていた。
チャームがパズルになっていて、ピースは隙間なく中で繋がっていた。
智はネックレスを取ると、立ち上がって俺の後ろへ移動し、つけてくれた。
「たくさんのピースがあっても、合うのはひとつだけ。俺の隣にはずっと和也が必要だから」
そう言って俺をギュッと抱きしめてくれた。
「俺も……つけたい」
包み込む腕が離れると、俺もネックレスを取って前から智につけた。
「何があっても……離れても、必ず隣に戻ってくるからね」
智を抱きしめると、チャームが触れ合い音を奏でた。
とても小さいけど、綺麗な音。
「ごちそうさまでした」
隣り合ってカフェオレを飲み切ると、お金をテーブルに置いて喫茶店を後にした。
カランカラン…
「また、ご来店をお待ちしています」
退店を告げる音とマスターの優しい声に見送られ、俺たちはどちらともなくある場所へと向かった。
「お待たせしました」
コースターと飲み物が、それぞれの前に置かれる。
「ありがとうございます」
俺も智のお礼に合わせて頭を下げると、ニッコリと笑い返してくれた。
「ごゆっくり」
そう言い残して、カウンターの裏へと行ってしまった。
「これ、美味しいの。ちょうどいい甘さで、疲れがスーッと取れる」
グラスを傾けて口に流し込むと、氷がカランと音を立てた。
「ホント、美味しい」
子どもの頃に飲んだカフェオレの味に似てる。
何か、昔に戻った気分……
そして目の前にいる智も、いつもの智と違う気がした。
もしかしたら俺が知る前の智なのかな?
「和也」
「ん?」
呼ぶ声と同時に、テーブルに置いていた俺の手と智の手が重なった。
とても温かい。
けど消えてしまいそうな気がして、そっと自分の手を智に重ねた。
「大丈夫だよ」
俺の気持ちを察したように、智が俺に微笑みかける。
そしてスッと俺の手の間から抜けると、着ていたジャケットから黄色いリボンで包装されたものを差し出した。
「これ…は?」
「開けてみて?」
言われるがまま、スルりとリボンを解いた。
包装されていたのはジュエリーケース。
ゆっくりと開けると、ペアのネックレスが入っていた。
チャームがパズルになっていて、ピースは隙間なく中で繋がっていた。
智はネックレスを取ると、立ち上がって俺の後ろへ移動し、つけてくれた。
「たくさんのピースがあっても、合うのはひとつだけ。俺の隣にはずっと和也が必要だから」
そう言って俺をギュッと抱きしめてくれた。
「俺も……つけたい」
包み込む腕が離れると、俺もネックレスを取って前から智につけた。
「何があっても……離れても、必ず隣に戻ってくるからね」
智を抱きしめると、チャームが触れ合い音を奏でた。
とても小さいけど、綺麗な音。
「ごちそうさまでした」
隣り合ってカフェオレを飲み切ると、お金をテーブルに置いて喫茶店を後にした。
カランカラン…
「また、ご来店をお待ちしています」
退店を告げる音とマスターの優しい声に見送られ、俺たちはどちらともなくある場所へと向かった。