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数珠つなぎ

第1章 あなたを救いたい

「智……好き。俺はずっと……智が好きだった」

やっと吐き出すことが出来た智への気持ち。

「俺も……好き。ずっと……ニノが好きだった」


だからこそ俺が智を求めてることを伝えたい。


「智……俺は智を抱きたい。智の全てを愛したい」

俺の言葉に智は下を向いて首を横に振る。

「どうして?やっぱり俺じゃダメなの?」

智を責めている訳じゃない。

でも俺の気持ちを否定された気がして肩を掴んで揺らすと、力なく智の身体は前後に動く。

「俺は……汚れてる」

「智は汚れてない!ここは誰にも奪われてないでしょ?」

その言葉を全力で否定し、智の心臓に手を押し当てた。

「奪われてなんかない!いつも……ずっとニノを想ってる」

涙を浮かべながら俺を見つめ叫ぶ智。

「でも、身体は……すぐに快楽に反応するようになってしまった。きっと……あいつらの前と同じようになる。そんな姿をニノに見せるなんて出来ない」

手で顔を覆って膝から崩れ落ちた。

「智…っ」

俺もしゃがみ込み、震える身体をギュッと抱きしめる。


俺がしようとすることは、智を傷つける。

でも俺は証明したい。


どんな智だって俺は受け入れるし、愛する事を……


ならどうすれはその事を、智に伝えられる?



答えは簡単だった。



「なら智……俺を抱いて?」

涙で濡れた顔を智は上げた。

「智は抱いたことある?」

「女はあるけど……男はない」

「じゃあ……智は同じにはならないでしょ?」

「ニノ……本気なの?」

きっと俺の事を心配してるんだろう。


受け入れる辛さは智が誰よりも知っているから……


でも、俺の決意は揺るがない。


「俺の初めてを智にあげる。だから智の初めてを……見せて?」


初めて同士の2人なら、俺たちは決して汚れない。

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