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同居人は教えたがりな奉仕者

第3章 普段聞かないこと

「なぁ、初めてシタのって、いつ?」

「は?何だよ、急に」

半笑いで聞き返す、その余裕もムッとして仕方ない。

「どうせ高校の時にはもうヤリまくってたんだろ?初めてっていつだよ、ほら!」

唐揚げを刺した箸をマイクに見立てて拓海に向けると、拓海は眉を寄せて思い出を探りだして…

「えー…中3?」

予想外の答えに、箸を落としそうになる。

「マジで!?相手は?同級生?」

「そ。受験終わったら…みたいなノリで。合格発表の日にヤった」

こいつ…マジか。

そんな童貞卒業、あり?

受験のご褒美がそれだなんて…そんなん…

「ぐわーっ!!羨ましすぎるっ!!」

机に突っ伏して呻くと、それを見た拓海はゲラゲラ笑いだして…

「あー、腹いてぇ…んで、翼は?」

「は?」

「初めてっていつだよ」

問われてギクリと胸が鳴った。

「俺!?俺は…」

どうしよう?何て言う?

「俺のことは置いといて、中3って早すぎ」

話を反らすために、拓海の事を深く掘り下げていった。

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