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同居人は教えたがりな奉仕者

第3章 普段聞かないこと

缶ビールの中身を全部飲み干して、わざとらしくため息をつく。

「はぁ…だからか」

「何が」

「お前の女癖の悪さ!んで、その原因!」

訳が分からないとばかりに、拓海は首を傾げる。

よし。完全に話を反らせたぞ。

このままうまいことはぐらかそう。

「そもそもさ、俺と同居したのもそれじゃん?」

姉貴が出ていったから部屋が空いてる。

単純に家賃がもったいないって話じゃなくて

「一人暮らしだと、ストーカーに狙われるって…何でだよ!?」

しかも元カノがストーカーになっちゃったやつだからタチが悪い。

学校も自宅もバイト先も全部バレてて…

「嘘だと思ったのに、まさか本当に待ち伏せされてるなんてな」

アパートの郵便受けを開けて封筒を取り出してたら、突然後ろから声をかけられて、超ビビったのは鮮明に覚えてる!!

「あぁ…たまーに思い込みの激しい子に当たっちゃうんだよな」

第三者の俺がこんなにビビってんのに、当事者のこいつがのほほんとしているのは…何でだ!?

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