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同居人は教えたがりな奉仕者

第3章 普段聞かないこと

「ちゃんと選ばないからだろ?」

「選んでるよ」

「嘘だ~!じゃあ何で取っ替え引っ替えなんだよ!?」

拓海は首をひねると、絞り出すように答えた。

「うーん…相性?」

「相性…」

あまりな答えに、単語をおうむ返しするしか出来ない。

そういうのって、付き合う前にある程度把握できるもんじゃないのか?

顔を曇らせたら、拓海はニヤリと笑った。

「そ。なかなか合う子に巡り会えない」

「そりゃご愁傷さま」

棒読みで言葉をかけてから、ビールを取りに冷蔵庫へ向かう。

結局は、さ。

どんな女の子なのかもわかんないまんま付き合って、それから本性を見たって話だろ?

そんなもん、選んだとは言わねーんだよ!!

見た目がよければ誰でもいいんじゃねーか!!

戻って、黙ってビールを口にすると

「翼は?」

「ん?」

「一番最近付き合ったのって、どれくらい前?」

その質問に、思わずビールを吹き出しそうになった。

あっぶねえ!!勿体ない!!

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