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同居人は教えたがりな奉仕者

第1章 同居人

どうせ出ていく金なんだ。

「腹を満たすのが誰であろうが、お前が金を失うのは同じだろ?」

俺の持論に、拓海は眉を寄せると

「お前、彼女じゃねーだろ!?俺へのメリットは!?」

そんなもん求めてんじゃねーぞ!!

「じゃなきゃ行かねー」

しれっと言うと、浅漬けのキュウリを一口で頬張った。

バリボリと音をたてて咀嚼していると、拓海が味噌汁をイッキ飲みして

「…くそ!!分かったよ!!」

タンッ!!と音をたててお椀をテーブルに置く。

「やった!サンキュー!!」

ニヤリと笑ってお礼を言うと、拓海は唇を曲げたままだ。

お。大分苛立ってるな。

「よし!お礼に今日は俺が片付けるよ」

食べ終わった食器を持ってシンクへ向かえば、後ろから

「そもそも今日はお前が当番だろうが!!」

ぶつぶつと文句を言う声が聞こえる。

それを聞きながら、くくっと笑いをこぼした。

何だかんだ言っても、俺達仲良くなったもんだよな。

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