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同居人は教えたがりな奉仕者

第4章 正しいキスの仕方

「さっき、トースターで焼いといた」

トースターから焼おにぎりを取りだし、お椀に入れる。

お茶漬けの素を振りかけて、お湯をさせば

「焼おにぎり茶漬けの完成~!」

「おぉ~!すげ~!!」

妙なハイテンションでお茶漬けを作り、食う。

拓海は平気な顔をしてるけど…

俺は唇に触れる違和感に戸惑っていた。

無理矢理茶漬けを飲み込むと、後片付けにかかる。

「あ…皿、洗う?」

「今日は俺の当番だから。拓海は呑んでろよ」

洗えるものをまとめて持ち、キッチンに逃げ込んだ。

まずい。

洗い物をしながら、唇の表面を歯で擦る。

拓海の唇の感触が消えない。

さっきも…茶漬けの味がちっとも分からなかった。

ドキドキして、体が熱くて…変な感じがする。

ファーストキス、だったんだよな…

想像してたのは、可愛い女の子とのキス。

なのに…相手が拓海だなんて!!

…よし。

今日のあれは事故だ。

酔っぱらいの不幸な事故。

そう思うことにしよう!!

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