テキストサイズ

同居人は教えたがりな奉仕者

第5章 行き過ぎな実践

「俺も手ぇ洗お」

そう言って、拓海が洗面所へ向かった。

拓海の姿が見えなくなって、ホッとして…力が抜ける。

あいつ…何考えてるんだ!?

俺に対する態度が普通すぎないか!?

身動きすると、ヌチャ…と粘りのある音がして…

その音に、耳の辺りの熱が上がった気がする。

…ともかく、早いところ風呂に入ろう。

部屋まで着替えを取りに行って、風呂に行けば…

おい!!

脱衣場を兼ねた洗面所に、拓海がまだ居やがった!!

まだ手を洗っているのかよ。

そこに居られると、脱ぎにくいんだけど。

ムッとしたまま、鏡越しに拓海が手を泡だらけにして洗っているのを見ていた。

えらく丁寧に洗うんだな。

あの手で擦られたのか…とか思うと…

不意に、顔を上げた拓海と鏡越しに目があった。

「翼?」

どくんと心臓が音をたてるのは、仕方ないよな!?

「悪りぃ。もう終わるから」

泡を洗い流して、タオルで拭いて…

そんな動作もいちいち目で追ってしまう。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ