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晃くんがあたしをじっと見つめる。



ドキドキして目が逸らせなくなった。



「俺、優依ちゃんに寂しい思いをさせたくない。そばにいてあげたいって思ってる」



ズキン…



うれしいのに、心が痛い。



「あ…どうして、そんなにあたしのこと？」



「なんつーか、最初に会ったときから守ってあげたいって思ったんだよね」



晃くんが目を逸らして照れくさそうに言った。



「ほら、優依ちゃんは他の女子とちょっと違うんだよ。金持ちでプライド高い子が多いし、遊んでる子もいる」



ドクン…



遊んでる子…



「でも優依ちゃんは真面目だし、素朴な感じが俺は気に入ってるんだ」



ズキン…



「あ、ありがとう。そう言ってくれてうれしい」



くらくらする…



本当のあたしを知ったら、晃くんを幻滅させてしまう。



苦しい…



「あ、ありがとう。もうすぐそこだから」



お屋敷までまだ距離があるけれど、あたしはここで彼とお別れすることにした。



逃げたくなってしまった。



「じゃあ、また明日な」



「うん、また明日」



晃くんが立ち去ろうとした時、あたしは彼の腕を掴んだ。



「優依ちゃん？」



「あの、いつもありがとう！」



晃くんはあたしの額にキスをした。



「どういたしまして」



彼の笑顔を失いたくない。