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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第7章 幸せな夜

「あの、志桜さんはどこか具合が悪いんですか?」



三坂さんはハッとした表情で黙る。



「え…」



何…?



「おい、さっさと食えよ。冷めるぞ」



となりで悠樹くんが食事をしながら言った。



「あ、うん。ごめん」



あたしはフォークを持って、お皿の上の肉料理に手をつけた。



悠樹くんは何も言わない。



だからあたしもそれ以上聞けなかった。



それから数日、志桜さんもおじさまも留守で、あたしと悠樹くんの2人だけの食事が続いた。



食事の後は少しだけ、悠樹くんにゲームのことを教えてもらう。



たまに三坂さんと話をする時間もあった。



毎日が平穏で、何の心配もない日々が続いた。



こんな日がずっとこれからも続いてくれたら、なんて思っていた。



そんなある日のこと。



学校の女子トイレに行くと、女子2人がきゃあきゃあと騒いでいた。



あたしはそのとなりで黙って手を洗う。



「何でそんなもの学校に持ってきてんのお?」



「だってぇ、カレシがどこでもヤルからさー」



「やらしー」



何…?



女子の一人が手の中に納まるくらいの四角い包みを持っていた。



見たことない。



でも…



「ていうか、女にゴム買わせるってどうよ?」



ドキッ…



「小心モノだからさ」



「別れちゃえ、そんな男」



あたしは急に恥ずかしくなって急いでトイレを出た。







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