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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第7章 幸せな夜

「あ、ありがとう」



あたしはネックレスを手に取り、嬉しくて頬が緩んだ。



「つけてみる?」



「うん」



「つけてあげるよ」



そう言って晃くんがそのネックレスをあたしの首にさらっとつけてくれた。



「どうかな?」



あたしが訊ねると晃くんはにっこりと笑った。



「よかった。似合ってる」



「本当に、ありがとう。こんなのもらったのはじめて」



「そっか。優依ちゃんは俺がはじめての彼氏だよね?」



ドクン…



胸の奥に、ちくりとした痛みが広がった。



「う、うん…そうだよ」



嘘じゃない、けど…



あたしは彼の目を見ることができない。



「そっか。俺が優依ちゃんのはじめてになれるんだ」



ビクッと体が震えた。



「え…えと…あの…」



「ははは、そんなに怖がらなくていいよ。俺、優依ちゃんがいいと言うまで待つから」



あ…


あたし、どうしたらいいの…?



このまま、晃くんに捧げたほうがいいのかな。



「あ、あの…」



ドクン、ドクン、ドクン…



「何?」



鼓動が速くなる。手が震える。




「キ、キス…して」



「いいの?止められないかもしれないよ」



ドクン…



あたしは高まる鼓動を落ち着かせるため、胸をぎゅっと押さえた。



「いいよ」



晃くんはあたしの肩を掴む。



あたしは彼の目をまっすぐに見据える。



「優依ちゃん」



晃くんはあたしの名を呼び、そのままキスをした。






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