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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第7章 幸せな夜

ちゅっ…



晃くんは軽いキスをしたあと顔を離す。



少しの間、お互いに見つめ合った後、すぐにまたキスを繰り返した。



「あ…ン…」



彼はあたしの唇に吸い付くように、少し強めにキスをする。



「あ、きら、くん…」



はあ、と荒い吐息が漏れる。



「優依ちゃん」



「ん、ふ…」



ちゅく、ちゅく…



晃くんが舌を挿れてきたので、あたしもそれに答えるように舌を動かす。



静かな部室に、あたしたちの呼吸と唇の触れ合う音、そしてあたしの声が響く。



「あ…ん、う…」



「優依ちゃん、可愛い」



「晃く…ひゃっ」



彼の手があたしの胸を掴んだ。



「ごめん、嫌?」



「そ、そんなこと、ない!」



あたしは晃くんの背中に手を回してぎゅっと抱きついた。



「ねえ、止められないけどいい?」



あたしの脳裏に志桜さんの顔が浮かんだ。



どうして…



思い出しちゃうの?



あたしが固まっていたら、晃くんはそっと離れた。



「あ、ごめんなさい」



「いいよ。びっくりしたよね?俺もこの後塾だし、この続きはまたにしよ」



「う、ん…そうだね」



あたし…なぜ、晃くんの問いかけにすぐ答えなかったんだろう。



あたしたちは学校を出て、途中まで一緒に帰った。



だけど、さっきのことが頭から離れず、とても気まずくてお互いに会話があまり進まなかった。



「それじゃ、次は日曜日だよね。連絡するから」



「うん。それじゃ、塾頑張ってね」



「ありがとう」



あたしたちは笑ってお別れをした。



だけど…



あのとき拒否しなければよかったと、あたしは後悔することになるのだった。











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