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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第7章 幸せな夜

ダイニングルームに行くと、テーブルにはたくさんのご馳走が並んでいた。



大きなクマのぬいぐるみがリボンをかけられた状態でテーブルの向こうに座っている。



「優依、お誕生日おめでとう」



おじさまと志桜さんと悠樹くん、そしてまわりには三坂さんとお手伝いさんたちがいて、みんなで拍手をしてくれた。



「あ、ありがとう、ございます」



なんだか照れくさいなあと思った。



「優依、綺麗な衣装だ。似合ってるよ」



おじさまがあたしの背中に手を添えた。



「ありがとうございます」



「さあ、こっちへ。ケーキもあるぞ」



「わっ、すごい」



真っ白なクリームの上にたくさん苺が飾られた二段ケーキだ。



キャンドルに火が灯されると部屋の照明が落とされ、みんながお祝いをしてくれる中、あたしは火を吹き消した。



「これ全部、お前が食えよ」



と悠樹くんが笑う。



「え?あたしひとりじゃ無理だよ」



「デブになるだろうな」



「ひどーい!」



あたしたちのやりとりを見て、おじさんが大笑いした。



「なんだ。お前たちいつの間に仲良くなったんだ?」



「仲良くねぇし」



と悠樹くんはふくれっ面になった。



あたしが視線を動かした先に、志桜さんがいた。



彼は穏やかに微笑んでいる。



あたしは気まずくて目を逸らしてしまった。







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