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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第9章 彼氏だけど…

そして日曜日、晃くんとの約束の日。



昨日はいろいろと考えすぎてしまってなかなか寝つけなかった。



おかげであたしは今朝、寝坊してしまった。



待ち合わせ場所まで電車で15分くらいだけど、今から出るとギリギリ間に合うかどうかというところだ。



『ごめんね。少し遅れる』



あたしは晃くんにメッセージをしておいた。



急いで玄関を出ようとしたら三坂さんに声をかけられた。



「優依さま、そんなに慌てられると転びますよ」



「大丈夫…わっ」



玄関のドアを開けて三坂さんに振り返ったとき、うまく履けていなかった靴がつまずいて転びそうになった。



「優依さま!」



三坂さんが手を伸ばしてあたしの腕を掴んでくれた。



「ごめんなさい。言ってるそばから…」



「気をつけてくださいね」



「はい。いってきます」



あたしは服装を整えて、笑顔で三坂さんに挨拶をした。



彼も笑顔で「いってらっしゃい」と言ってくれた。



玄関のドアを閉めたところで、あたしは立ち止まってゆっくりと息を吐いた。



実は体が痛くてたまらない。



足も腰もすごく筋肉痛で、歩きづらくて困る。



今日、たくさん歩くかもしれないのに大丈夫かな。



そんな不安を抱いていると、庭から声をかけられた。



「優依」



ドクン、と胸が高鳴った。




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