
甘い鎖~縛られて溶かされる~
第9章 彼氏だけど…
志桜さんの車が見えなくなるまで、あたしはずっと見送っていた。
そうしていると背後から声をかけられた。
「優依ちゃん」
ビクッ…
「あ、晃くん。遅くなってごめんね」
「いいよ。今の、お兄さん?」
ドキッ…
「…うん」
「送ってもらったのか」
「そうなの。急いで家を出たから…」
晃くんはあたしではなく、遠くへ目を向けている。
その表情が何だか強張っていて、あたしは少し不安になった。
「晃くん…?」
「あ、ごめん。とりあえず、何か食う?」
「うん」
晃くんはいつもの優しい笑顔になった。
なんだろ…今の表情。
「何がいい?好きなもの奢ってあげる」
「え?そんなの悪いよ」
「誕生日をちゃんと祝ってないからさ。これくらいさせてよ」
「あ、ありがとう」
ズキッ…
どうしよう、あたし。
晃くんに大切な話をしようと思ったのに…
「ねえ、優依ちゃん」
「うん、何?」
「それって虫刺され?」
「え…」
晃くんはあたしの髪に触って、首の後ろを指でつついた。
「あっ…それ。そう、虫に…」
うそっ!
痕はメイクで隠したのに、まさかもうひとつ後ろにも付けられていたなんて。
「優依ちゃん、いい匂いがするね」
ドクン…
耳元でささやかれてぞくっと震えた。
そうしていると背後から声をかけられた。
「優依ちゃん」
ビクッ…
「あ、晃くん。遅くなってごめんね」
「いいよ。今の、お兄さん?」
ドキッ…
「…うん」
「送ってもらったのか」
「そうなの。急いで家を出たから…」
晃くんはあたしではなく、遠くへ目を向けている。
その表情が何だか強張っていて、あたしは少し不安になった。
「晃くん…?」
「あ、ごめん。とりあえず、何か食う?」
「うん」
晃くんはいつもの優しい笑顔になった。
なんだろ…今の表情。
「何がいい?好きなもの奢ってあげる」
「え?そんなの悪いよ」
「誕生日をちゃんと祝ってないからさ。これくらいさせてよ」
「あ、ありがとう」
ズキッ…
どうしよう、あたし。
晃くんに大切な話をしようと思ったのに…
「ねえ、優依ちゃん」
「うん、何?」
「それって虫刺され?」
「え…」
晃くんはあたしの髪に触って、首の後ろを指でつついた。
「あっ…それ。そう、虫に…」
うそっ!
痕はメイクで隠したのに、まさかもうひとつ後ろにも付けられていたなんて。
「優依ちゃん、いい匂いがするね」
ドクン…
耳元でささやかれてぞくっと震えた。
