テキストサイズ

甘い鎖~縛られて溶かされる~

第10章 無理矢理

身体が火照る…



意識が朦朧としていて、何が起こっているのかわからない。



あたし、横になってる…?



薄っすらと目を開けると知らない天井が見えた。



どこ…?



「あ、気がついた?」



ドクン…



「あきら、くん…? えっと…ココ、どこ?」



「俺の部屋。優依ちゃん、店で気分が悪くなったから俺の家まで連れてきたんだよ」



そういえば、急に気持ち悪くなって、頭がふわふわして…



それから晃くんに支えられてなんとか歩いていたけれど、その後の記憶が曖昧だ。



「今日はうちの両親いないからさ。泊まっていいよ」



「え…それは、ダメ」



起き上がろうとしたけれど、体が言うことをきかない。



「ほら、動けないから。家の人に連絡しといたら?」



晃くんはあたしのスマホを手に持っている。



「今日はここで休んで、明日送っていくからさ」



もう別れるっていう彼氏の家に泊まるなんて、そんなこと…



「優依ちゃん、動けないだろ。俺がメッセージ打ってやるから」



本当に、体の力が抜けてしまって動けない。



ここは甘えさせてもらってもいいのかな…



あたしは悠樹くんに今日は友人の家に泊まるというメッセージを送っておいた。



なんとなく、志桜さんには知られたくなかった。



「喉乾いた?何か飲む?ジュースがいい?それともお茶か水か?」



「ありがとう。えと…お水が飲みたいな」



「わかった。待ってろ」



彼は笑顔で部屋を出ていった。



晃くん、今日は本当に優しいな。












ストーリーメニュー

TOPTOPへ