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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第10章 無理矢理

ー弱い女は嫌いだー



ふと悠樹くんに言われた言葉を思い出す。



ーお前さ。嫌なことされたら拒絶できる?ー



ドクン…



ーお前みたいな奴は他人の言いなりになるだけだろー



嫌だ。



ちゃんと意思表示しなきゃ。




「こんなの、彼女じゃないよ!」



あたしは晃くんを睨みつけて、涙ながらに叫んだ。



「晃くんがやっていることはレイプだよ!」



彼は黙ったまま、真顔であたしを見下ろす。



「酷いよ!あたし、まだ高校生なのに妊娠したら困るよ!」



彼はふふっと笑った。



「だから大丈夫だって言ってるだろ。俺来年の4月が誕生日だから18歳になったらすぐ優依ちゃんと結婚するよ」



驚いて言葉を失った。



会話にならない。



「子供が産まれる頃は俺たち夫婦だし、何の問題もなくない?」



晃くんはやっとあたしの脚を解放してくれた。



だけど、彼は嬉しそうに笑う。



「妊娠中ってセックスしてもいいよな?腹のでかくなった優依ちゃんとヤるのも最高だな」



誰?



この人は誰?



恐怖と悲しみ、それよりも怒りが猛烈に込み上げてきた。



「ふざけないで!あなたと結婚なんて絶対しない!大っキライ!」



晃くんは急に真顔になり、あたしに顔を近づけてきた。



そして…



パンッ!



彼はあたしの頬を叩いた。



一瞬、何が起こったのかわからなくなり、あたしは目を見開いて晃くんを見つめた。



彼はあたしを睨みつけている。



「言葉遣いに気をつけろよ」



今までの彼とは思えないほど、恐ろしい声だった。







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