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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第11章 あたたかくて…

体中がとろとろになって、あたしはぼんやりしながら志桜さんを見上げた。



「ん?どこか、痛いとこある?」



彼は優しく微笑む。



「ない…です」



さっきまでずっと怖い思いをしていたから、彼の表情を見ると安堵して、また泣きそうになってしまった。



「優依」



志桜さんはあたしの名を呼んでそっと頬にキスをした。



嬉しい…



あたしは自分から彼に近づいていく。



「志桜、さん…」



お互いの唇が触れた瞬間、あたしの中の罪悪感にも似た感情が一気に押し寄せてきて、キスを拒んだ。



「あたし…汚い…」



滅茶苦茶にキスをされた記憶がよみがえる。



いやだ…あんな…



あたしが躊躇っていると、志桜さんが唇を近づけてきた。



「優依は綺麗だよ」



ちゅっ…



彼はあたしに軽いキスをした。



「…志桜さん」



ズタズタに傷ついていた心が、彼の優しさで解されて、また涙が出てきた。



「優依」



彼はあたしの頬を撫でて涙を拭ってくれる。



「志桜さん、あたし…」



「優依…」



彼はあたしを呼んだ後すぐに口づけをした。



「ん…」



軽く触れるようなキスを何度もされて、あたしの衝動が抑えられなくなった。



「あっ…志桜さ…んう…!」



あたしは自分から舌を出して彼の唇に吸いついた。





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