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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第11章 あたたかくて…

その夜は夢を見る暇もないほど、どっぷりと深い眠りに落ちた。



疲れ果てていたのもあるけれど、一番は安心してリラックスできていたからかもしれない。



広いベッドの中で、窓から差し込む朝の光で目が覚めた。



あたしの目の前には志桜さんの胸元があった。



「あ…」



よかった。



あたし、帰ってきていた。



目を開けた瞬間、昨夜のことが思い出され、ここが別の場所ではないかと不安になったのだけど。



あたしは志桜さんの顔を見つめた。



あんまり、じっくりと見たことなかったけど…



「…綺麗」



志桜さんはとても整った顔立ちをしている。



寝顔がすごく綺麗だった。



「う…」



どうしよう。



うずうずする。



あたし、もしかして昨夜飲まされた薬がまだ体内に残っていたりしないよね?



キス、したい…



あたしは上半身を起こして、志桜さんの寝顔を見つめた後、その額にキスをした。



すると、彼はうっすら目を開けて、あたしを見てクスっと笑った。



「朝から欲求不満かな?」



「わ…ごめんなさい!」



「いいよ。おいで」



志桜さんはあたしの背中を抱き寄せて、あたしの耳たぶにキスをした。



「や…あっ…なんで、そこ…?」



「優依の一番好きなトコだから」



「い、いじわる…」



志桜さんは静かに笑って、今度はあたしの唇にキスをした。



あたしはそれを受け入れて、また長いキスを始めた。



シーツの感触とお互いの体温と朝の光がとても心地よかった。





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