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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第11章 あたたかくて…

志桜さんに言われて、あたしは少しのあいだ学校を休んだ。



正直、今は晃くんに会いたくない。



思い出すと今でも体が震えてしまう。



志桜さんは夜になるとあたしの部屋に来て話をしてくれた。



今までと違って彼はあたしに触れてこない。



本当に話をするだけだった。



それでもあたしは彼と一緒にいると不思議と心が落ち着いた。



以前はあんなに、拒んでいたのに…



「前にも言ったけど、優依は気にする必要はないよ」



「はい。でも…あたしが悪かったのかなって思うんです」



優しかった人が急にあんな怖い人になるなんて、信じられなかった。



あたしに原因があったから…



「一つだけ。気にしてほしいことはあるかな」



「えっと…なんですか?」



志桜さんは穏やかに笑う。



「君は何でも自分のせいにする癖をやめなさい。彼のあれは性分なんだよ。君だけじゃない。むしろ、弱い子を狙っていたんだ」



ドクン…



「あたしの…前の女の子も、そうだったのかな?」



「彼女に暴力を振るった後、優しくする。自分の思い通りにコントロールする。典型的なDVの性質だ。本人も気づいていないからタチが悪い」



志桜さんは淡々と話す。



「そんな…」



自分がそんな目に遭うなんて、思ってもみなかった。



てっきり私が悪いのだとばかり思っていたから。





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