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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第11章 あたたかくて…

「それで、今度みんなでお出かけすることになったんです」



あたしはその夜、志桜さんに学校のことを話した。



彼は今日は自宅にいて、夜はリビングでくつろいでいた。



あたしは最近よく彼と話すことが多い。



彼は穏やかに微笑みながら、いつもあたしの話を聞いてくれる。



「よかったね。友達ができて」



「はい。あたしずっとびくびくしてたんだけど、ちゃんと話せばみんなわかってくれて、今まで自分の殻に閉じこもってたんだなあって思いました」



「優依が楽しそうで僕も嬉しいよ」



志桜さんはじっとあたしを見つめている。



あたしはなんだか恥ずかしくなって俯いてしまった。



ドキドキドキ…



そういえば、あたしと志桜さんてどういう関係なんだろ。



ちらっと彼を見ると、まだあたしのことをじっと見ていた。



「えっと…」



彼はあたしと婚約してるなんて言ってたけど、あれはその場しのぎの嘘だよね。



だけど…



そうなってもいいのにって思う自分もいる。



じゃあ、あたしは志桜さんのことが好きなの?



それはまだ、わからない。



そもそも好きってどんな気持ちだっけ?



晃くんのことは好きだと思っていたけど、何か違っていた。



あれ…



あたし、恋愛できないかも…





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