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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第11章 あたたかくて…

ひとりで気持ちよくなるなんて、終わった後は虚しかった。



だけど、あの欲求を解消するためにはそうするしかなかった。



数日くらいはすっきりした気分でいられた。



だけど、それは長く続かなかった。



やっぱり、志桜さんに会うと体が反応してしまうのだ。



それからまた欲求と闘うことになった。



どうすれば志桜さんはあたしのことを抱いてくれるんだろう?



そんなことを思う日が来るなんて、思ってもみなかった。



あんなに彼を拒んでいたのに…



「…ひどいよ、志桜さん」



あたしの体をこんなふうにしたのはあなたなのに。



責任とってよ…



あたしのこと、抱いてよ。



日々、募っていく不満が、あたしの心を蝕んでいく。



抱いて…



抱いてよ…



いっぱい触って、キスして、奥までたくさん突いてよ。



「ダメだあたし…ずっと、そんなことばっかり考えちゃう」



これではダメだと思った。



だから、あたしはその夜、志桜さんの部屋へ行くことにした。



ドキドキしながら、彼の部屋をノックした。



しばらくすると、志桜さんが部屋の中から顔を出した。



「どうしたの?」



彼は冷静な顔であたしに訊ねた。



緊張して手が震えちゃう…



あたしはまともに彼の顔を見ることができず、俯いていた。



「何か用?」



ズキッ…



彼の言葉に胸が痛くなった。




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