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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第2章 聞こえちゃう

「優依ちゃん、おはよ」



「晃くん!おはよう」



彼の笑顔が、とても安心する。



「具合でも悪いの?なんだか顔が赤いような気がする」



「え?そんなことないよ」



今朝のことを思い出して、さらに顔が火照る。



やだ…思い出したくないのに。



「今日、図書館で勉強して帰らない?」



「うん、そうする」



「よかった」



晃くんは勉強熱心だ。



わからないところを丁寧に教えてくれるし、一緒にいると心が安らぐ。



女子からはあまり話しかけてもらえないけれど、彼のおかげであたしはなんとかここでやっていけそうな気がする。



「見た?あからさまに媚び売ってる態度」



おそらくあたしに向けられた言葉だろうけれど、無視をした。



晃くんさえいれば、あたしは大丈夫。



どんな辛いことだって、耐えられるんだから。



だけど…



昨夜と今朝のことを思い出して、罪悪感に苛まれる。



あんなこと、もうイヤ…











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