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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第2章 聞こえちゃう

「こうして、この公式に当てはめれば解けるよ」



「わ、ありがとう。わかってきたよ」



晃くんと放課後に図書館で勉強している。



彼の成績は学年トップで、教え方も上手だ。



対するあたしはあまり成績がよくない。



だけど、彼と一緒にいると勉強が楽しい。



もっと頑張って、彼にふさわしい彼女になりたい。



今のままじゃ、あたしは晃くんに釣り合わないもの。



勉強を終えると、あたしたちは一緒に帰宅した。



彼があたしを家まで送ってくれることになった。



最初は断ったけど、どうしても送らせてほしいという彼に甘えてしまった。



でも、あのお屋敷を見られたくはない。



だから、あたしはお屋敷の近くで彼とお別れすることにした。



「ありがとう。このあたりでいいよ。家はもうすぐそこだから」



「本当?大丈夫?」



「うん」



「じゃあ無事に家に着いたら連絡して」



「わかった。送ってくれてありがとう」



あたしはお礼を言って、晃くんとさよならをするつもりだった。



だけど、彼はあたしの手を握った。










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