テキストサイズ

甘い鎖~縛られて溶かされる~

第2章 聞こえちゃう

「え…晃くん?」



「優依ちゃん」



晃くんはあたしの名前を呼ぶと、顔を近づけてきた。



あ…



ドキッとした。



晃くんがそっと、あたしの唇にキスをした。



胸の奥でかすかにズキッと痛みが走った。



罪悪感がわいてくる。



「晃くん…」



彼はあたしから顔を離して、照れくさそうにする。



「ごめん」



「ううん、謝らないで。うれしい」



「優依ちゃん、好きだよ」



「あ、あたしも!」



晃くんが頬を赤くして笑った。



あたしも自然と笑顔になった。



うれしいよ…



幸せだよ…



こんな時間がずっと続いてくれればいいのに。



ずっと晃くんと一緒にいられたらいいのに。



「それじゃ、優依ちゃん。また明日」



「うん、明日ね」



明日また会える。



それが、今のあたしにとって生きる希望だった。





ストーリーメニュー

TOPTOPへ