
甘い鎖~縛られて溶かされる~
第12章 不安になる
「杉林さま、落ち着いてください」
三坂さんが必死に止めている声が聞こえる。
だけど、志桜さんはあたしを抱きしめたまま動かない。
「お帰りにならないのであれば客室をご用意いたしますので、しばらくお待ちになってください。志桜さまにはのちほどお部屋へ足を運んでいただけるようお願いしてみますから」
志桜さんの腕にぎゅっと力が入る。
そして彼はぼそりと呟く。
「余計なことを」
ビクッ…
彼の低い声と熱い吐息が耳元にかかる。
どうなっちゃうんだろ。
ドキドキドキ…
しばらくふたりで抱き合ったままでいると、美鶴さんの諦めたような声がした。
「わかったわ。じゃあ、早く部屋に案内してくれる?」
「承知しました。こちらでございます」
美鶴さんと三坂さんの話す声が遠のいていくと、あたしはほっとして体の力が抜けた。
だけど志桜さんはあたしを抱いたまま動かない。
「志桜さん…」
「ん?」
「行かないと…」
「行かないよ」
ドキ…
あたしはぎゅっと彼を抱きしめる。
あたし、ほっとしてる。
このまま行かないでほしいけど…
でも、ダメ。
「志桜さん、ちゃんと美鶴さんとお話しなきゃ」
「ん?」
「あたし…志桜さんが元気になってくれるなら何でもする」
「優依がそばにいれば元気になるよ」
違う。そんなんじゃなくて…
「あたし、悠樹くんのこと好きみたい!」
突然思いついた嘘を言ってしまった。
三坂さんが必死に止めている声が聞こえる。
だけど、志桜さんはあたしを抱きしめたまま動かない。
「お帰りにならないのであれば客室をご用意いたしますので、しばらくお待ちになってください。志桜さまにはのちほどお部屋へ足を運んでいただけるようお願いしてみますから」
志桜さんの腕にぎゅっと力が入る。
そして彼はぼそりと呟く。
「余計なことを」
ビクッ…
彼の低い声と熱い吐息が耳元にかかる。
どうなっちゃうんだろ。
ドキドキドキ…
しばらくふたりで抱き合ったままでいると、美鶴さんの諦めたような声がした。
「わかったわ。じゃあ、早く部屋に案内してくれる?」
「承知しました。こちらでございます」
美鶴さんと三坂さんの話す声が遠のいていくと、あたしはほっとして体の力が抜けた。
だけど志桜さんはあたしを抱いたまま動かない。
「志桜さん…」
「ん?」
「行かないと…」
「行かないよ」
ドキ…
あたしはぎゅっと彼を抱きしめる。
あたし、ほっとしてる。
このまま行かないでほしいけど…
でも、ダメ。
「志桜さん、ちゃんと美鶴さんとお話しなきゃ」
「ん?」
「あたし…志桜さんが元気になってくれるなら何でもする」
「優依がそばにいれば元気になるよ」
違う。そんなんじゃなくて…
「あたし、悠樹くんのこと好きみたい!」
突然思いついた嘘を言ってしまった。
