
甘い鎖~縛られて溶かされる~
第12章 不安になる
あまりにもあっさりとした態度。
志桜さんはあたしに背中を向けた。
「悠樹はいい子だよ。優依の結婚相手になるなら僕も認めよう」
結婚相手…?
どうしてそんな話に…
「結婚なんて、まだ早いよ」
「優依、君が悠樹のお嫁さんになってくれるなら、僕はあの父を説得してあげるよ」
「え…?」
なんでそんなにあっさりと認めちゃうの?
「志桜さん、あたしのこと好きだって言ったのは…嘘なの?」
自分で嘘をついたのに、なんだか悲しくなってきた。
「僕は君のことが好きだよ。10年間、その想いは変わらない」
ズキ、と胸が痛くなった。
「志桜さん…」
「でも、僕は君と結婚できない。それならせめて僕の信頼する男と君を結婚させたい」
ドクン…
「そ、それが…悠樹くん、なの?」
「そうだよ」
志桜さんは振り向いて笑った。
「嬉しいでしょ?好きな男と結婚できて」
ズキン…
「じゃ、僕は行くよ」
「…はい」
志桜さんは静かに洗面所を出ていった。
あたしはそのまま床に座り込んでしまった。
「…これで、いいんだ。これで…」
あたしの恋愛感情よりも、
彼の命のほうが大事だから。
ぽたぽたと涙が床に落ちていく。
「う、そ…すき…すきなの…だいすき…しおうさん」
ガタっと音がして洗面所のドアに目を向けた。
志桜さんが戻ってきた?
だけど…
「何よ、あなた。大神くんを混乱させてるのはあなたなの?」
美鶴さん…!
志桜さんはあたしに背中を向けた。
「悠樹はいい子だよ。優依の結婚相手になるなら僕も認めよう」
結婚相手…?
どうしてそんな話に…
「結婚なんて、まだ早いよ」
「優依、君が悠樹のお嫁さんになってくれるなら、僕はあの父を説得してあげるよ」
「え…?」
なんでそんなにあっさりと認めちゃうの?
「志桜さん、あたしのこと好きだって言ったのは…嘘なの?」
自分で嘘をついたのに、なんだか悲しくなってきた。
「僕は君のことが好きだよ。10年間、その想いは変わらない」
ズキ、と胸が痛くなった。
「志桜さん…」
「でも、僕は君と結婚できない。それならせめて僕の信頼する男と君を結婚させたい」
ドクン…
「そ、それが…悠樹くん、なの?」
「そうだよ」
志桜さんは振り向いて笑った。
「嬉しいでしょ?好きな男と結婚できて」
ズキン…
「じゃ、僕は行くよ」
「…はい」
志桜さんは静かに洗面所を出ていった。
あたしはそのまま床に座り込んでしまった。
「…これで、いいんだ。これで…」
あたしの恋愛感情よりも、
彼の命のほうが大事だから。
ぽたぽたと涙が床に落ちていく。
「う、そ…すき…すきなの…だいすき…しおうさん」
ガタっと音がして洗面所のドアに目を向けた。
志桜さんが戻ってきた?
だけど…
「何よ、あなた。大神くんを混乱させてるのはあなたなの?」
美鶴さん…!
