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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第2章 聞こえちゃう

「今のが彼氏?」



「あ…はい」



あたしは彼と目を合わせないように俯きながら答えた。



「ふうん、そう。好青年だね」



「や、優しい…です」



ドクンドクンドクン…



緊張のあまり震える。



志桜さんがあたしに近づいてきて、ビクンと体が勝手に反応した。



「ごめんね。見ちゃった」



「え…?」



「君が彼氏とキスしてるところ」



急に恥ずかしくなって顔が熱くなった。



「あ…ごめん、なさい…」



「どうして謝るの?彼氏なんだから当然でしょ」



「え?」



そんな反応をされるとは思わなかったので、驚いて志桜さんの顔を見上げた。



彼は穏やかに笑っている。



それがとても怖い。



「さあ、優依。家に帰ろう」



「…はい」



志桜さんはあたしの背中に手を添えながら、そっとささやく。



「僕たちの家に」



ゾクッ…



あたしの体が警笛を鳴らしていた。




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