テキストサイズ

甘い鎖~縛られて溶かされる~

第14章 幸せ

あたしたちは車で郊外までドライブした。



あたしたちのことを誰も知らない遠いところまで行きたかったから。



「悠樹くんに悪いことしちゃったかな」



「大丈夫。悠樹はそんなことで怒らないよ」



「でも…」



悠樹くんは志桜さんのこと嫌いなのよね。



あたしのせいで余計にこじらせてしまったらどうしよう。



「優依。そんなことより外を見てごらん」



「え…わあっ!」



車の窓から見える景色は一面花畑だった。



ずいぶん山の奥に来たと思ったけど、こんなに綺麗な花がいっぱい咲いているなんて。



「すっごーい。綺麗!素敵!」



休日だから駐車場は混雑していた。



天気もいいから観覧客がいっぱい来てる。



「優依」



呼びかけられて振り向くと、志桜さんが写真を撮った。



「あ、あたしも」



あたしも志桜さんを撮りたいと思ったけど。



「僕はいいよ。優依の可愛い写真をいっぱい撮りたい」



「え?あたしばっかり嫌よ」



「一人で写真に収まるのは嫌なんだ」



「じゃ、二人で!」



あたしは通りかかった人に「写真を撮ってください」とお願いした。



志桜さんと並んでにっこり笑った。



「うれしいな」



志桜さんといっぱい写真を撮った。



記念にアルバムにしよう。



「優依はどれがいい?」



あたしたちはソフトクリーム屋さんの前にいた。



バニラとチョコとイチゴとメロンがあって、どれがいいか迷う。



「イチゴとバニラかなあ」



志桜さんはバニラとチョコを選んだ。



「優依、一口くれる?」



わっ…



ストーリーメニュー

TOPTOPへ