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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第14章 幸せ

志桜さんがあたしのソフトクリームを舐める。



それを見たら急に体が熱くなってきた。



「おいしいね」



「…うん」



「僕のも食べる?」



あたしはそっと彼のソフトクリームに口をつけた。



「…おいしい」



「どうしたの?顔が真っ赤だよ」



「だ、だって…恥ずかしい」



こんな人の多いところで間接キスなんて。



志桜さんはクスクス笑った。



そしてあたしの耳元でこそっと話す。



「もっと恥ずかしいことしてるくせに」



ぼっと顔が熱くなった。



「や…志桜さん…そ、れは…だっ…て」



「優依は本当に可愛いね」



「い、いじわる…!」



それからあたしたちは近くの動物園に行ったり、ガラス工房でグラスを作ったりした。



「綺麗」



志桜さんはとても器用だからまっすぐ綺麗なグラスが出来上がった。



「う…それにくらべて…」



あたしはでこぼこだ。



「そのほうが味があっていいと思うな」



「ほんと?」



「うん。僕は明日からこれを使おう」



志桜さんはあたしの作った形の悪いグラスを手に持って笑った。



「ふふふ」



楽しいなあ。



志桜さんはとっても優しいし、



あたし、こんなに幸せでいいのかなあ。







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