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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第14章 幸せ

スープと魚料理と肉料理と次々運ばれてきて、



知らない味ばっかりでほっぺたが落ちそうなくらい美味しくて、



あたしはずっと頬が緩んでいた。



「優依、料理はどう?」



「どれもこれもすごく美味しいよお。こんな贅沢してもいいのかな?」



「いいよ。よかったら僕のデザートも食べる?」



彼はデザートの皿からケーキをあたしの皿に移した。



「でも、志桜さんは?」



「僕は別のデザートがあるからね」



彼はにこにこして言った。



「え…別の?これから注文するの?」



「うん。注文する必要は、ないんだけどね」



志桜さんが笑ったままあたしをじっと見つめる。



「え…あっ…!」



何のことだかわかるとあたしは恥ずかしくて俯いた。



「し、おうさん…あ、たし…の」



「だから、僕の分も食べていいよ」



彼は笑顔でさらっとそんなこと言うんだ。



「あ、りがと…」



やだ、あたし…



ドキドキしてる。



そして、期待してる。



あたし、変になっちゃったな。



レストランで食事を終えると、宿泊する部屋に連れていかれた。



だけど、そこは想像していた部屋と違った。



「う、わあっ…!」



広い部屋の向こうは一面ガラス張り。



夜景が一望できるんだもの。



「すっごーい!綺麗!」



こんなところ、初めて。






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