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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第16章 真実

悠樹くんはあたしのとなりに座った。



あたしは悠樹くんに事情を話した。



だけど、彼は驚かない。



「ふーん。じゃあ、俺と一緒か」



「え?」



「俺も、兄貴とは母親が違う。俺は愛人の子だから。親父にとって息子は兄貴ただ一人なんだろうな。だから俺、あいつ嫌い」



「そうなの…?」



ショックだ。



本当に、あたしは志桜さんと血が繋がってるんだ。



「他にも隠し子がいると思うぞ。俺らが知らないだけで」



「そんな…」



やだ…



あたしがおじさまの子だなんて。



あたしのパパはパパだけなのに…



「う…うぅ…」



ショックが大きすぎて涙が止まんないよ。



あたしは志桜さんと結婚できない。



あたしは志桜さんの子供を産めないんだ。



「鬱陶しいな。泣くなよ」



「ごめん…」



「別にいいじゃん。戸籍上は兄貴と結婚できるんだろ?」



「え?」



「兄貴とお前が兄妹なんて親父しか知らないだろ」



「でも…ダメだよ…本当の兄妹なのに…」



知りたくなかったよ。



こんなの、ひどいよ。



「うぅ…」



「泣くなよ」



「だって…」



「兄貴に聞いてみたら?」



「だ、だめっ…!」



志桜さんにこのことは絶対言えない。



言いたくない。



知られたくない。





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