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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第16章 真実

「何の話?」



ドクン…



あたし悠樹くんが振り向くと、ドアの向こうに志桜さんが立っていた。



「あ…」



あたしは怖くなって震えた。



どうしよう。



聞かれた…?



「兄貴とこいつが兄妹だって話」



悠樹くんがあっさりと暴露してしまった。



「やっ…やめて」



「親父に聞いたんだろ?」



「そうだけど…」



志桜さんは室内に入ってきて、あたしの前で膝を折って屈んだ。



「優依、ここを出よう。僕の部屋に来て」



「でも…」



「大丈夫。優依は僕の妹じゃないよ。それはずいぶん前に調べ済だ」



「え…?」



志桜さんはにっこりと笑った。



「なんだ兄妹じゃないのか。つまんねー」



悠樹くんは他人事みたいにそう言った。



「ほんとに…?」



あたしが訊ねると志桜さんはこくんと頷いた。



涙がぽろりと出てきた。



よかった…



あたし、志桜さんと恋してもいいんだ。






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