
甘い鎖~縛られて溶かされる~
第17章 一生分の愛
志桜さんが倒れたのは心臓の持病のせいだったけど、
検査をしたら脳にも問題が見つかって、
もしかしたら助かっても目を覚まさないかもしれないってお医者さんに言われた。
手術の時間はすごく長くて、
最悪な時は覚悟してくださいって。
みんな信じられないっていう顔をして、
神妙な面持ちで手術が終わるのを待った。
その間ずっと悠樹くんは大泣きしていた。
「兄ちゃん…嘘つき。やっぱり嘘ついた。ずっと一緒にいてくれるって、言ったのに…」
ドクン…
一緒にいてくれるって、
志桜さん、悠樹くんにも言ってたの?
そっか…
今、分かった。
悠樹くんは志桜さんのことが嫌いなんじゃなくて、
大好きなんだ。
「悠樹さまは幼い頃、志桜さまにずっとくっついていらっしゃいました。志桜さまの行くところにはどこでも行きたいとおっしゃって、駄々をこねられて大変でした」
待っている間、三坂さんがあたしにそのことを話してくれた。
「志桜さまが昔、入院された時も大泣きされて大変でした。あの頃からですよ。悠樹さまが志桜さまに心を閉ざしてしまわれたのは」
そうだったの…
悠樹くんはいずれ志桜さんがいなくなると分かって、
自分が傷つかないように避けていたんだ。
くらりと眩暈がして、あたしはその場に倒れそうになり、何とかふんばった。
「優依さま、具合が悪いのですか?」
「大丈夫です」
しっかりしなきゃ。
あたしは、悲しんでいる場合じゃない。
守らなきゃ。
志桜さんの子を守らなきゃ!
検査をしたら脳にも問題が見つかって、
もしかしたら助かっても目を覚まさないかもしれないってお医者さんに言われた。
手術の時間はすごく長くて、
最悪な時は覚悟してくださいって。
みんな信じられないっていう顔をして、
神妙な面持ちで手術が終わるのを待った。
その間ずっと悠樹くんは大泣きしていた。
「兄ちゃん…嘘つき。やっぱり嘘ついた。ずっと一緒にいてくれるって、言ったのに…」
ドクン…
一緒にいてくれるって、
志桜さん、悠樹くんにも言ってたの?
そっか…
今、分かった。
悠樹くんは志桜さんのことが嫌いなんじゃなくて、
大好きなんだ。
「悠樹さまは幼い頃、志桜さまにずっとくっついていらっしゃいました。志桜さまの行くところにはどこでも行きたいとおっしゃって、駄々をこねられて大変でした」
待っている間、三坂さんがあたしにそのことを話してくれた。
「志桜さまが昔、入院された時も大泣きされて大変でした。あの頃からですよ。悠樹さまが志桜さまに心を閉ざしてしまわれたのは」
そうだったの…
悠樹くんはいずれ志桜さんがいなくなると分かって、
自分が傷つかないように避けていたんだ。
くらりと眩暈がして、あたしはその場に倒れそうになり、何とかふんばった。
「優依さま、具合が悪いのですか?」
「大丈夫です」
しっかりしなきゃ。
あたしは、悲しんでいる場合じゃない。
守らなきゃ。
志桜さんの子を守らなきゃ!
