
甘い鎖~縛られて溶かされる~
第17章 一生分の愛
「奥さま」
使用人の女性があたしに声をかけてきた。
彼女は料理を担当している人だ。
「はい?」
「もしかして、妊娠してませんか?」
ドキッ…
「最近、食事を残されることが多いですし、体調もあまり優れないと三坂から聞いてて…」
初めて人にそう言われて、
緊張が抜けたような気がした。
「うっ…」
我慢していたものが一気に溢れたみたいに、
あたしは泣いた。
「ううう…ふっ…う」
「大丈夫ですよ。私たちで支えていきますから何も心配はいりませんわ」
「…ありがとう…ございます」
あたしは泣きじゃくりながらお礼を言った。
志桜さん…
あなたはこのことを知らずにいってしまうの?
あたし、もっと早く気づいていたら…
もっと早く彼に言えていたら…
お願いよ…
どうか助かって。
あなたの子がいるのよ。
命が…
ここにあるの。
あたしは泣きながら何度も神さまにお願いした。
彼を連れていかないでって。
知らないままなんて、そんなのないよ。
長い時間が経った。
手術が終わって、お医者さんからは一命はとりとめたと聞いた。
だけど彼は目を覚まさなかった。
何日も、何日も…
彼は眠ったまま、
どんどん日にちが経っていって、
あたしのお腹では赤ちゃんの心臓の音が聞こえていた。
使用人の女性があたしに声をかけてきた。
彼女は料理を担当している人だ。
「はい?」
「もしかして、妊娠してませんか?」
ドキッ…
「最近、食事を残されることが多いですし、体調もあまり優れないと三坂から聞いてて…」
初めて人にそう言われて、
緊張が抜けたような気がした。
「うっ…」
我慢していたものが一気に溢れたみたいに、
あたしは泣いた。
「ううう…ふっ…う」
「大丈夫ですよ。私たちで支えていきますから何も心配はいりませんわ」
「…ありがとう…ございます」
あたしは泣きじゃくりながらお礼を言った。
志桜さん…
あなたはこのことを知らずにいってしまうの?
あたし、もっと早く気づいていたら…
もっと早く彼に言えていたら…
お願いよ…
どうか助かって。
あなたの子がいるのよ。
命が…
ここにあるの。
あたしは泣きながら何度も神さまにお願いした。
彼を連れていかないでって。
知らないままなんて、そんなのないよ。
長い時間が経った。
手術が終わって、お医者さんからは一命はとりとめたと聞いた。
だけど彼は目を覚まさなかった。
何日も、何日も…
彼は眠ったまま、
どんどん日にちが経っていって、
あたしのお腹では赤ちゃんの心臓の音が聞こえていた。
