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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第17章 一生分の愛

出産予定日を過ぎちゃった。



赤ちゃんはまだ生まれてこない。



「どうしよ…ぜんぜん出てこないよ」



あたしはその日、悠樹くんと三坂さんと一緒に志桜さんの病院にいた。



「兄貴が目覚めるまで待ってるんだ」



悠樹くんがそう言った。



あたしたちはいつものように何回か志桜さんに話しかけて、反応のない彼の様子を見て、それから帰ることにした。



出産はこわい…



けど、みんながそばにいてくれるから。



あたしは平気だよ。



そう思ってもやっぱりこわくて…



あたしは志桜さんの手を握った。



「がんばるよ」



こわい、けど…



「がんばって赤ちゃん産むからね」



そのとき…



あたしの手にわずかな力が加わった。



「え!?」



びっくりして、あたしは彼の手を握った。



そうしたら、またぎゅっと握り返された。



「志桜さん?」



「兄貴?動いた?」



「先生に連絡を!」



三坂さんがお医者さんを呼びに行った直後、



あたしのお腹に激痛が走った。



「痛…っ!」



「え?おい、大丈夫か?」



悠樹くんはあたしの足下を見て驚愕した。



「なんだこれ?水?」



破水したんだ…!






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