
甘い鎖~縛られて溶かされる~
第17章 一生分の愛
赤ちゃんを育てるのがこんなに辛いなんて知らなかった。
もし、あたし一人だったら、育てられるんだろうか。
子育てって、まわりの家族がいるからできることなんだって知った。
それから1カ月検診が終わって、少しずつ慣れてきた。
だけど、志桜さんはずっと眠ったままで。
あたしはその日も赤ちゃんを連れて彼の病院へ行った。
三坂さんと悠樹くんも一緒に来て、相変わらず起きる気配のない志桜さんに話しかけた。
「志桜さん、りゅうちゃんだよ。今日も元気だよー」
子供は隆桜(りゅうおう)と名付けた。
みんな、りゅうちゃんって呼んでる。
「りゅうちゃん、パパだよ」
あたしはりゅうちゃんを志桜さんに近づけた。
りゅうちゃんは志桜さんをじっと見つめた後、あたしに抱きついてきた。
パパだってわかんないよね…
いつも呼びかけてるけど、前の時みたいな反応はない。
だけど、今日はりゅうちゃんの手を志桜さんに触らせてあげた。
りゅうちゃんはびっくりすることもなくて、
志桜さんの指をぎゅうっと握った。
そうしたら、志桜さんに反応があった。
「志桜さん、今動いた」
「え?ホントか?」
近くで見ていた悠樹くんがあたしのとなりに来る。
志桜さんはりゅうちゃんに握られた指をぴくりと動かした。
「動いた!動いたぞ!」
悠樹くんの声にびっくりしたりゅうちゃんが急に泣き出した。
わああああっ、と病室に鳴き声がこだまして、あたしは慌てて彼を抱っこしてあやした。
そうしたら、驚くべきことが起こった。
もし、あたし一人だったら、育てられるんだろうか。
子育てって、まわりの家族がいるからできることなんだって知った。
それから1カ月検診が終わって、少しずつ慣れてきた。
だけど、志桜さんはずっと眠ったままで。
あたしはその日も赤ちゃんを連れて彼の病院へ行った。
三坂さんと悠樹くんも一緒に来て、相変わらず起きる気配のない志桜さんに話しかけた。
「志桜さん、りゅうちゃんだよ。今日も元気だよー」
子供は隆桜(りゅうおう)と名付けた。
みんな、りゅうちゃんって呼んでる。
「りゅうちゃん、パパだよ」
あたしはりゅうちゃんを志桜さんに近づけた。
りゅうちゃんは志桜さんをじっと見つめた後、あたしに抱きついてきた。
パパだってわかんないよね…
いつも呼びかけてるけど、前の時みたいな反応はない。
だけど、今日はりゅうちゃんの手を志桜さんに触らせてあげた。
りゅうちゃんはびっくりすることもなくて、
志桜さんの指をぎゅうっと握った。
そうしたら、志桜さんに反応があった。
「志桜さん、今動いた」
「え?ホントか?」
近くで見ていた悠樹くんがあたしのとなりに来る。
志桜さんはりゅうちゃんに握られた指をぴくりと動かした。
「動いた!動いたぞ!」
悠樹くんの声にびっくりしたりゅうちゃんが急に泣き出した。
わああああっ、と病室に鳴き声がこだまして、あたしは慌てて彼を抱っこしてあやした。
そうしたら、驚くべきことが起こった。
