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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第18章 あたしたちの未来

志桜さんはあたしの手に触れた。



あたしは彼の手を握って、並んで公園を歩いた。



「久しぶりだね。こうして優依と一緒にいるの」



「うん。あたし、ずっと待ってたよ。こんなふうに志桜さんと一緒に歩けるの…」



志桜さんはぴたりと足を止めた。



「ごめんね、優依。苦労させたね」



「え?」



ドクン…



「僕が君の人生を変えてしまった」



「あ、謝らないで!あたし、自分で選んだの。志桜さんと一緒に生きるって」



志桜さんはあたしの手を引いて抱き寄せた。



「し、志桜さん…こんなとこで…」



公園には他にあまり人はいないけど、昼間だし、なんだか恥ずかしいなって思って…



「優依、後悔してない?」



「後悔なんてしてないわ!あたし、今とっても幸せなの!」



「だけど、僕はもう君のことを抱けないと思うよ?」



ドクン…



「そ、そんなの…」



あたしはぎゅうっと彼を抱きしめた。



「必要ないわ!あたし、あなたがそばにいるだけでいい!」



「優依」



「志桜さんはあたしに家族を作ってくれた。あなたとりゅうちゃんと、悠樹くんやみんな…みんなあたしの家族だよ」



「ああ、優依」



志桜さんもあたしのことをぎゅっと抱きしめてくれた。



彼はあったかい。



心臓もちゃんと動いてる。



志桜さんが生きていてくれるだけで、



あたしは幸せだよ。





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