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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第3章 嫌なのに…

震えるあたしの体を、志桜さんがぎゅっと抱きしめる。



抵抗したくても力が入らない。



「あ…」



唇が離れると、水の混じった唾液がとろっと口から溢れた。



「ごめんね、優依」



「え…?」



びっくりした。



あたしはぼうっとしながら志桜さんの顔を見る。



彼は少し困った顔をしている。



「疲れちゃったね。今日はゆっくり休むといい」



彼はそう言って、あたしをそっとベッドに横たえてくれた。



「あ…志桜さ、ん」



あたしはそこに、懐かしい光景を見た。



「あ、れ…?志桜さん…」



熱い…



意識が、遠のいていく。



「ん?何…?」



彼の声も聞こえなくなってくる。



「あ、たし…前に…」



前にも似たようなことがあった気がする。



でも、よく思い出せない。



あたしの額に志桜さんの手が触れる。



ひやりとして気持ちいい。



「心配しなくていいよ。今日は何もしない」



どうしてだろう。



妙に、安心した。



あんなに嫌な思いをしたのに…



あんなに酷いことをされたのに…






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