
甘い鎖~縛られて溶かされる~
第3章 嫌なのに…
ふっ…と、暗闇に堕ちた。
あたしは夢を見た。
誰かに、何かをあげている。
その相手の顔は見えない。
手が届くように、あたしは精一杯背伸びしている。
あたしの手にひとしずく…
水がこぼれた。
違う。あれは、涙…?
泣かないで…
だいじょうぶ…
あたしがいるから。
生きて…
生きて。お兄ちゃん…
お兄ちゃん…
「おに、い、ちゃん…?」
目を開けると天井が見えた。
あのときの無機質な天井ではなくて、木のぬくもりがある。
「あれ…?あたし」
そっと横に顔を向けると、志桜さんが眠っていた。
驚いて少し離れる。
彼は椅子に座ったまま、ベッドに顔を置いて目を閉じている。
どく、どく、どく…
鼓動が速くなる。
彼が起きる前に、離れたい。
ベッドからそろりと抜け出そうとしたら、いきなり腕を掴まれた。
「どこに行くの?」
ビクッ…
「あ…ちょっと、トイレに…」
「わかった」
彼は立ち上がってあたしを抱き寄せた。
「あの…歩けます、から…」
「途中で倒れられると困るからね」
志桜さんと一緒にいるほうが倒れちゃうよ。
あたしは夢を見た。
誰かに、何かをあげている。
その相手の顔は見えない。
手が届くように、あたしは精一杯背伸びしている。
あたしの手にひとしずく…
水がこぼれた。
違う。あれは、涙…?
泣かないで…
だいじょうぶ…
あたしがいるから。
生きて…
生きて。お兄ちゃん…
お兄ちゃん…
「おに、い、ちゃん…?」
目を開けると天井が見えた。
あのときの無機質な天井ではなくて、木のぬくもりがある。
「あれ…?あたし」
そっと横に顔を向けると、志桜さんが眠っていた。
驚いて少し離れる。
彼は椅子に座ったまま、ベッドに顔を置いて目を閉じている。
どく、どく、どく…
鼓動が速くなる。
彼が起きる前に、離れたい。
ベッドからそろりと抜け出そうとしたら、いきなり腕を掴まれた。
「どこに行くの?」
ビクッ…
「あ…ちょっと、トイレに…」
「わかった」
彼は立ち上がってあたしを抱き寄せた。
「あの…歩けます、から…」
「途中で倒れられると困るからね」
志桜さんと一緒にいるほうが倒れちゃうよ。
