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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第4章 感じちゃう

「これ、宿題のプリント持ってきたから」



「ありがとう」



あたしは晃くんからそれを受けとる。



「わからないところがあったら聞いて。なんでも教えてあげるから」



「うん!」



晃くん、なんて優しい。



嬉しいよ。



涙が出るくらい嬉しい。



「まだ少し顔が赤いよ。大丈夫?」



「え?大丈夫だよ」



あたしは笑顔で返す。



「無理しなくていいよ。明日も調子が悪かったら授業のノートを取っておくし、何も心配しなくていいから」



「ありがとう。明日は絶対行くよ」



すっかり安心して、あたしはハーブティーに口をつけた。



そうしていたら、晃くんがふと目線をよそへ向けた。



なんだろうと思って、あたしもそちらへ目を向けると…



「こんにちは。優依のお友達?」



ドクン…



「あ…」



急に不安が襲ってきた。



晃くんは慌てて立ち上がる。



「あ、お邪魔してます。俺、優依ちゃんと同じクラスの風間晃って言います」



彼は会釈をしながら挨拶をした。



あたしは、カップを持つ手が小さく震えている。



「はじめまして、風間くん。僕は優依の兄代わりの志桜です」



志桜さんの口調が、妙に穏やかで怖い。





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