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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第4章 感じちゃう

「ふふ…可愛い」



つい笑ってしまった。



「お前、笑うなよ!ムカつく」



「ごめんね。なんか、ちょっと安心しちゃって」



「はあ?なんで安心すんだよ?俺のレイアアイテム消しといて」



「だって、それはあなたのせいでしょ?」



「くそ生意気な女だ」



悠樹くんはなんてわかりやすいんだろう。



感情が素直に表に出る子なんだ。



あたし、ほっとしてる。



気持ちが少し穏やかになった。



だけど…



「何してるの?」



背後から声をかけられてドキッとした。



志桜さんが穏やかな表情で立っている。



「楽しそうだね」



彼はにっこりと笑った。



この人の表情は読めない。



何を考えているのか、さっぱりわからない。



あたしが黙り込んでしまったせいか、悠樹くんが声を上げた。



「何でもねぇよ。さっさとメシ食おうぜ」



悠樹くんはあたしをちらっと見て、そう言った。



あ…もしかして、あたしを気遣ってくれたの?



「あはは。悠樹は相変わらずだなあ」



志桜さんが声を出して笑った。



あたしは彼とふたりきりになりたくないので、慌てて悠樹くんの後ろを追いかけた。












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