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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第5章 怖いのに…

また、昔の夢を見た。



だけど…



不思議なことに、起きてしばらくしたら全部忘れちゃうんだ。



今度こそ覚えておこうって何度も頭の中で記憶するんだけど、やっぱり目が覚めたら忘れちゃう。



大事なことだったような気がするのに…



「いけない!寝坊しちゃった」



あたしは着替えて学校へ行く支度をした後、ダイニングルームへと急いだ。



その途中で、おじさまとバッタリ会ってしまった。



「おはようございます!」



「おお、優依。おはよう」



おじさまはにこやかに挨拶を返してくれた。



でも、あたしの頭にはあの時見た光景がよみがえる。



「学校か。気をつけて行きなさい」



「はい、行ってきます」



おじさまと別れた後、急に顔が熱くなってきた。



やだ…思い出すなんて。



大事なことは忘れちゃうのに、どうしてこういうことはずっと覚えているんだろう。



忘れたい…



(キモチイイ…)



急にあの後のことまで思い出して体が熱くなった。



あたし、なんであんなこと…



違う。あれはきっと、勘違いだよ。



あたしがあんなこと…



思うわけない。





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