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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第5章 怖いのに…

平日。



学校へ行って、晃くんと一緒に図書館に寄って、それからふたりで帰宅する。



あたしは帰りたくないから、なるべくゆっくり歩く。



公園に立ち寄ったら、クレープ屋さんのワゴンを見つけた。



「クレープ食べる?」



「え?うん。食べよう」



あたしは苺と生クリーム、晃くんはバナナとチョコのクレープを買った。



それを公園のベンチに座って食べる。



おばあさんが通りかかって、あたしたちに声をかけてきた。



「あら、若くていいわね。可愛いカップル」



あたしはなんだか恥ずかしくなった。



晃くんを見ると、彼も赤面していた。



うれしいな。



あたしたち、普通のカップルに見えるんだよね。



普通の…



急に気持ちが沈んできて、あたしはクレープを食べるのをやめた。



晃くんにとっては普通でも、あたしにとってはそうじゃない。



あたしは晃くんを裏切ってるんだ。



晃くんじゃない男の人と、あんなこと…



「優依ちゃん?どうしたの?」



「え?ううん、なんでもないよ。晃くんのクレープ美味しそうだね!」



あたしは気持ちを紛らわせるためにクレープの話をした。



「ちょっと食べる?」



「え…?」











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