隣のアイドル
第3章 *Episode2
「じゃあ、私仕事中だから…」
立ち上がってその場を去ろうとした時、力強く腕を引かれて咄嗟に振り返った。
「何すん‥「別れたんだ」
思考回路が停止した。
発する言葉が思いつかない。
掴まれた腕の方を見ると、
亮平さんの左手薬指から指輪が消えていた。
「美咲には申し訳ないことをしたと思ってる。
医者として、いち男として、最低だった。」
何を今さらー……
私がどんな思いで柚花を見てきたと思ってるの?
「美咲、「やめて」
「………」
「私たちは最初から2人で生きると決めたの。」
正直、柚花を産む前は未練があった。
いけない関係だとわかってたのに、いつか亮平さんの子供を産みたいと願ってる自分がいた。
本当に本当に大好きだったー…
でも出産をきっかけに私は変わった。
強くなったの。
柚花と2人で生きていくと決めたの。
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