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隣のアイドル

第3章 *Episode2




「美咲!」


「…!?」






関係者通用口で声をかけられて咄嗟に振り返る。






「…亮平さん」


「車、乗っていく?」


「…結構です。」






こんなところで立ち話をしてる暇はない。



急がないと延長保育代取られちゃう…!







「迎え、急いでるんだろ?
いいから送っていく。」






立ち止まってる私を追い抜きざまに引かれた腕。




よろけそうになりながらも体は自然と向きを変えて歩きだした。







「ちょ…こんなの困るから…!
今会われたら……」


「大丈夫。保育園の前で降ろすよ。」


「え?」


「今日は会わないって約束する。」


「今日は?」


「今後のことは追々な。」






この強引な感じー…



何も知らない若い頃の私にとって魅力的に見えた危険な存在だったことを思い出す。



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