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隣のアイドル

第4章 *Episode3

 


蒼井さんが言ってたとおり、ドッグランはマンションから割とすぐのところにあった。






辺りはすっかり暗くなってるけど、ドッグラン自体は明るくライトで照らされていた。








「柚花、足元気をつけてね!」


「はーい!!」







つくねを楽しそうに追いかける柚花を近くのベンチから座って眺める。







「夜はまだ涼しくて気持ちいいですね。」


「ね、本当に……」







空を見上げた裕太に合わせて美咲も顔を上げる。








「柚花ちゃんのお父さんですよね?」


「え?」


「さっきの鍛冶さん、でしたっけ?」







あまりにも唐突な質問に裕太を見つめて固まった。






「詮索するつもりはありません。」


「………」


「誰にだって知られたくないことはありますから。」







こんなに顔を見合わせて会話したのは初めてかもしれないー……




しょうもない嘘を見抜かれて、気まずいはずなのに視線を離すことができなかった。



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