隣のアイドル
第5章 *Episode4
「お兄ちゃん、またね!!」
「またね!おやすみ!」
裕太に手を振り、柚花が先に家の中に入る。
その姿を美咲と裕太は微笑ましく見つめた。
「…じゃあ、私も…!
ありがとうございました。」
「美咲さん、」
「………」
この空気……
さっきの気まずさを思い出す。
「あの、「お気持ちは嬉しいです…!」
「ーー?」
「嬉しいんですけど……
一般人の私なんかをおかしいですよ…!
それに、子持ちですよ?
誰がどう聞いたっておかしいです!!」
「そんなこと、」
「そんなこと関係ないって言えますか?
子持ちの女をからかって、100歩譲って私は良くても傷付くのは柚花なんです。」
「………」
「私たちは、
今の生活で満足なんです。」
美咲の少し強い口調に裕太は黙って聞いていた。
「…失礼します。」
そのまま美咲は俯き加減で家の中へ入っていった。
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